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めっきの基礎

めっき技術

めっきとは?

金属または非鉄金属製品の表面に、金属の薄い皮膜をかぶせる技術のことです。

めっき技術の3つの用途

イメージ:装飾めっき
装飾めっき
外観の見た目を綺麗にして装飾的価値を高める。
例)眼鏡のフレーム、照明器具、美術工芸品など

イメージ:防食めっき
防食めっき
腐食や錆から金属を守り発生を防ぐ。
例)鉄鋼材料、建築資材、機械部品など

イメージ:機能めっき
機能めっき
様々な機能を付与し、伝導性や耐摩耗性などを高める。
例)自動車のエンジン部品、産業機械の摩耗部品、IT機器の電子部品など

めっきのルーツ

呼び方の由来

「めっき」はれっきとした日本語で、実は「メッキ」と書くのは誤りです。「滅金」が由来であるとする説があり、これは「水銀に金を溶かし金が滅する」という状態を表すと言われています。752年に建立された東大寺の大仏はこの水銀と金の合金を塗布し、350℃以上に熱して水銀を蒸発させて、金だけを表面に固着させています。

めっきの漢字と由来

図:めっきの漢字と由来

めっきの種類

めっき法の分類

図:めっき法の分類
  • 湿式めっき
    薬液(めっき液)を用い、化学反応で皮膜を生成する。
    • 電気めっき
      めっき液中の金属イオンを電気化学的に還元して皮膜を生成する。
    • 無電解めっき
      イオン化傾向の違いを応用した方法や還元剤を使う方法があり、電気を使わないで皮膜を生成する。
  • 乾式めっき
    薬液を使わずに物理的な方法(溶射など)で皮膜を生成する。

アズマのめっき

アズマの主力生産品はプリント配線基板におけるスルーホール銅めっき加工です。めっきの用途では機能めっきになります。基板は主にエポキシ樹脂で作られています。スルーホールとはプリント基板に開けられた壁穴のことです。スルーホール(壁穴)に銅めっきが加工されることにより電導性が付与され、電気を通さない樹脂が導通することになります。

図:めっきの漢字と由来

プリント配線基板

プリント配線基板とは、ICや抵抗、コンデンサなどの電子部品を固定して回路でつなげる為のもので電子機器にはなくてならない重要な電子コンポーネント(構成要素)の1つです。IoT機器、医療機器、産業ロボット、自動車、航空機に至るありとあらゆる分野で使用されています。

- 種類 -

プリント配線基板は大きく2種類に分けられます。

  • リジッド配線基板(硬質)
  • フレキシブル配線基板(柔軟)
図:フレキシブル配線基板の屈曲部分の断面構造

さらに配線基板の種類を細分化すると、下記3つに分類されます。

  • 片面プリント配線基板
  • 両面プリント配線基板
  • 多層プリント配線基板
図:片面プリント配線基板
図:両面プリント配線基板
図:多層プリント配線基板
- 特徴 -
  リジッドプリント 配線基板 フレキシブルプリント 配線基板
形状 板状で平坦な形状。 薄いフィルム状材料で構成され、部品搭載等が必要な部分は、補強板等を貼り合わすことが多い。このため、部分によって厚さが異なる。
厚さ 一般に0.3mmから2.0mm程度のものが多い。 屈曲部は0.10mm程度のものが多い。
屈曲性 無し 有り

プリント配線基板の銅めっき作業工程

1.デスミア

写真:デスミア

穴開け加工時に溶けた樹脂を取り除く工程

2.整面研磨・高圧洗浄

写真:整面研磨・高圧洗浄

表面を削り綺麗にし、異物を取り除く工程

3.無電解銅めっき

写真:無電解銅めっき

スルーホール内は樹脂なので、銅めっきを施し電導性を付与する工程

4.電気めっき

写真:電気めっき

無電解銅めっきは薄いため、電気めっき加工により補強する工程

5.出荷検査

写真:出荷検査

めっき厚の確認や異物付着などが無いか検査を行う工程

参考文献

「今日からモノ知りシリーズトコトンやさしいめっきの本」
榎本英彦(著) 日刊工業新聞  2007年2月
「図解めっき技術の基礎」
星野重夫、斎藤囲、森﨑重喜、松下哲夫、矢部賢(著) 株式会社ナツメ社 2017年3月
「電子回路ってなーに?おじさんとあおちゃんの会話から」
一般社団法人日本電子回路工業会(編) 2017年6月
「プリント配線板学習テキスト製造&営業ハンドブック」
一般社団法人日本電子回路工業会(編) 2005年6月